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公開日: 2024-08-14

18きっぷより安く鉄道旅する方法【一筆書き】

追記

先日のJR各社の発表で、2024年冬期の青春18きっぷのルールが大幅に変更されることがわかりました。
jreast.co.jp/press/2024/20241024_ho01.pdf

この変更によって一筆書ききっぷのお得度がさらに増したような気がします。

結論だけ知りたい方へ

長距離の一筆書ききっぷを使う

長距離の一筆書ききっぷを使うと18きっぷより安く旅行できることがあります。

18きっぷは5日間乗り放題で約12,000円(2,400円/日)という格安でJRの普通列車が乗り放題となるきっぷです。
しかし、一定の条件下においては18きっぷよりも安く旅行できる可能性があります。

  • 一定の条件(条件の詳細は本編にて)
    • 経路が一筆書きである(同じ経路を2回以上通らない)
    • 経路が長距離であること

こうした条件を満たす場合は、その経路を通るきっぷを購入して旅行すると18きっぷより安く旅行できる可能性があります。
長距離のきっぷであれば途中下車可能だし、18きっぷとは違って特急券を追加すれば特急列車や新幹線に乗ることも可能です。

本編

想定読者

とにかく安く旅行したい方

  • 18きっぷは聞いたことがある
  • もっとマニアック寄りな旅のコツを知りたい

18きっぷとは

18きっぷとはどんなきっぷなのか、ざっくり解説します。

🎫

青春18きっぷ

  • JRが発売するきっぷ
  • JR全線の普通列車(普通・快速・新快速など)が乗り放題
    • 特急や新幹線には乗れない
  • 値段: 12,050円
  • 有効期間
    • いわゆる夏休み、冬休み、春休み期間のみ利用可能
    • 期間内の連続する5日間 (例えば2024年の夏に購入したきっぷは2024年の夏にしか使用できない)
      • 追記: 2024年冬期からバラバラの日程で利用することが不可能になりました

ざっとこんな感じです。
詳細はJRの公式サイトや他の方の解説を参考にされてください。

とにかく安く旅行したいみなさんに注目して欲しいポイントは、「一日あたり約2400円で旅行できる」という点です。

これを使うと、たとえば大阪から名古屋までの日帰り旅行を交通費2400円で行うことができます。(ただし特急・新幹線に乗れないため、往復で5時間以上かかる)

なお、2024年冬期から連続する3日間利用可能なきっぷも発売されます。お値段は10,000円であり、1日あたり約3,300円と若干割高です。

一筆書ききっぷ

一筆書ききっぷとは

18きっぷは聞いたことがあっても一筆書ききっぷは聞いたことがないという方も多いと思います。

「一筆書ききっぷ」という特殊なきっぷがあるわけではなく、経路が特殊な通常の切符です。
厳密な定義は知らないですが、この記事で言うところの一筆書ききっぷとはざっくりこんな感じのきっぷだと認識してください。

  • 1枚のきっぷ
  • ある程度長距離
  • たくさん寄り道する
  • (出発地に戻ってくる)

最後の「出発地に戻ってくる」は必ずしも必要とは限らないというのが個人の意見ですが、ここを含めて一筆書ききっぷと呼ぶケースも多い(というか主流な)ので記載しておきます。

  • 一筆書ききっぷの例 (筆者が実際行った経路)
    • 大阪→品川→新宿→長野→富山→西舞鶴→福知山→大阪
    • 大阪→東京→いわき→仙台→盛岡→秋田→酒田→山形

こんな感じの経路を普通列車に乗ったり、ときには新幹線や特急に乗りながら巡ったことがあります。
道中で途中下車もできるし、きっぷを買い足せばちょっと足を伸ばして寄り道することもできます。

JRの運賃について

JRの運賃計算は厳密にやろうとすると割と複雑なので大まかなルールを2つ紹介します。

1. JRの運賃は距離に応じて増加していく!
「あたり前のことを今更どうした?」とお思いだと思います。すみません。

2. JRの運賃の増加量は距離に応じて減少していく!
「増加が減少???」とお思いの方も多いかと思います。すみません。こちらはちゃんと解説します。

運賃の仕組みのソースコードを拝借して、距離と運賃との関係をプロットしたのが下のグラフです。

運賃の増加量が変わるのは、300km600km地点です。300kmと301kmの境目は傾きが変わったのがわかりにくい気がしますね。600kmと601kmのところを見てもらうと運賃増加の傾きが緩やかになったことがわかると思います。

つまり、長距離であればあるほど、距離の割に運賃が安くなっていくということです。

これが一筆書ききっぷとどう関係しているかと言うと、長距離のきっぷを買うと割と安く旅行できるということです。

下は横軸に距離を、縦軸に運賃を有効日数で割った1日あたりの運賃をプロットしたグラフです。

ご覧のように、有効期間いっぱいまで旅行する場合は、大体の距離で18きっぷの1日あたり2,400円を下回ることがわかります。

一筆書ききっぷの買い方

一筆書ききっぷはたいてい経路が複雑なので、券売機で購入することができないケースが多いです。
みどりの窓口で購入しましょう。

みどりの窓口は混雑するため、時間短縮のためにも、事前に経路をメモ書きして窓口で渡すことをおすすめします。
いわゆるきっぷのことを「乗車券」と呼ぶので、メモを渡して「この経路の乗車券を買いたいです」みたいな感じでいうと用意してくれます。

みどりの窓口は混雑するため(2回目)、旅行当日に購入することはおすすめしません。1ヶ月前から購入できますが、予約が埋まるとかいう性質のものではなく、予定変更の際は払戻手数料がかかるので、1週間前から前日までに購入するのがいいと思います。

18きっぷと一筆書ききっぷの比較

18きっぷ一筆書ききっぷ
値段12,050円距離による
有効期間5日間
期間内なら飛び飛びでもいい
距離による
連続する◯日間
1日あたりの値段2,410円距離による
有効期間いっぱいまで使えば2,410円を下回る
経路自由事前に決める必要あり
一筆書き限定
途中下車
特急・新幹線
特急券等は必要
学割

一筆書ききっぷで旅行してみた

実際に一筆書ききっぷで旅行してみました!

これが実際に利用したきっぷです。

  • 経路
    • 大阪発
    • 太平洋側から東京へ
    • 甲信越を通って北陸に出る
    • 日本海側から大阪に戻る
  • 有効日数: 9日
  • 値段: 13,020円 (学割)
    • 一日あたり1,447円 (18きっぷは2,400円/日)

このきっぷは自動改札に通すことができないサイズのきっぷ(通常より横長)になってしまいました。これは途中で経由する場所が多すぎたためです。
乗車や下車の際は、駅員のいる改札できっぷを見せると改札を通してくれます。
下車の際には、駅のスタンプを押してくれます。スタンプラリー感覚で楽しいですよね。

(以下念の為補足。「押してくれます」と言いましたが、これは不正利用防止の為押されるものなので、基本的に押してもらわないといけないものです。スタンプ無しだとどの駅まで利用したかわからなくなってしまうためです。)

旅行の詳細についてはまた別の機会に!

ここまでお読みいただきありがとうございます!